My Opening Farewell / マイ・オープニング・フェアウェル (Jackson Browne / ジャクソン・ブラウン)1972



A lady stands before an open window
Staring so far away
She can almost feel the southern wind blow
Almost touching her restless day

ひとりの女性が開かれた窓の前に立っている
遥か遠くを見つめてるんだ
彼女はもう少しで南風を感じることができ
もう少しであの慌ただしかった日々に
触れそうになっている

She turns from her window to me
Sad smile her apology
Sad eyes reaching to the door

彼女は窓から僕の方に振り向いた
悲し気な微笑は彼女が謝ってるようで
悲し気なまなざしでドアの方を向いていた

Daylight loses to another evening
And still she spares me the word goodbye
And sits alone beside me fighting her feelings
Struggles to speak but in the end can only cry

日の光は薄れ また夕暮れになろうとしてる
まだ彼女は
僕へのさよならを言うのを惜しんでる
僕の横にぽつんと座り
自分の感情とたたかい 話そうと格闘してるけど
最後にはただ泣くだけになってしまう

Suddenly its so hard to find
The sound of the words to speak her troubled mind
So I'm offering these to her as if to be kind:

突然じゃ 言葉が出てこないよ
彼女の言葉の響きが僕を混乱させる
だから僕は彼女にこう言ったんだ
優しい気持ちを込めて…

There's a train everyday leaving either way
There's a world, you know
There's a way to go

And you'll soon be gone - that's just as well
This is my opening farewell

"汽車は毎日 どちらの方向にも去っていく
そこには きみもご存じの 世界があり
そこにもまた進む道があるんだ"

きみはまもなく旅立つけど
それはいい機会なんだ
これが僕の"はじまりに続くサヨナラ"なんだ

A child's drawings left there on the table
And a woman's silk lying on the floor
And I would keep them here if I were able
Lock her safe behind this open door

子ども達の書いた絵がテーブルの上に残されてる
女物のシルクが床の上に落ちている
できることなら ここにずっとそのままにしておきたい
開かれたドアの後ろ側に彼女を
閉じ込めておきたいよ

But suddenly it's so clear to me
That I'd asked her to see
what she may never see
And now my kind words
find their way back to me

でも突然 はっきりとわかったんだ
僕は彼女がわかりようのないものを
彼女にわからせようとしていたことに
僕が優しく言った言葉が
僕自身に戻ってきたんだよ

There's a train everyday leaving either way
There's a world, you know
You got a way's to go

And I'll soon believe - it's just as well

This is my opening farewell

"汽車は毎日 どちらの方向にも去っていく
そこには きみも知ってる世界があり
またそこにも道があるんだよ"

そして僕はすぐに信じられるだろう
これはちょうどいい機会なんだ

そしてこれが僕の
"はじまりに続くサヨナラ"なんだね…

(Jackson Browne)

just as well=好都合な、ちょうどよい、適当だ

Released in 1972
#From The Album“Jackson Browne”

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ああ この曲はいい歌だなあ。同時にこう思います。こんな和訳でいいんだろうか…?と。

僕の日本語ボキャブラリーがもっと豊富で、日本語での詩を書く力があったなら、ジャクソンの原詩をもっと含みをもって和訳できるのに…と思ってしまいます。(そんなわけで、今後も和訳を変えていくかもしれませんのでご了承を)。

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◆ジャクソン・ブラウンのデビューアルバムからはシングルは"Doctor My Eyes"が全米8位、続く"Rock Me On The Water"は全米48位の成績でした。"Doctor My Eyes"はポップでヒット性のある曲ではありますが、多くのファンはやっぱり"Rock Me On The Water"の方を"名曲"と認定しますよね。このアルバムにもアルバムオープニングの"Jamaica Say You Will"を始め、"名曲"は
たくさん。ジャクソン・ブラウンはやっぱりアルバムで聴くアーティストなんだろうと思います。
ところで…"Rock Me On The Water"の国内盤シングルの邦題は"明日の海へ"…ちょっと!この邦題はヒドイ(-_-メ)。

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◆この曲"My Opening Farewell"はアルバムのラストを飾る曲。(B面のラスト2曲、"Rock Me On The Water"から続くこの曲。大好きで繰り返し聴きたくなってしまします) "Farewell"は「お別れ」「さようなら」ですから、この語句と、「始まり」という意味の語句"Opening"は普通は結びつかないですよね。
この"はじまりに続くサヨナラ"、どういう意味なのか?
僕の持っている「Inspiration」という本=著者のポール・ゾロが沢山のソングライターにインタビューしているのですが、そのなかでジャクソンのインタビューが掲載されていました。そして"My Opening Farewell"についてコメントしていますので引用したいと思います。

これも特定の女性との関係についての曲だ。書いたのはその関係を終えてからだと思うけど、歌われているのは、彼女と付き合っていた頃、ふたりが暮らしていた場所のことだ。北カリフォルニアにあるエレクトラレコード所有のスタジオ兼農場でレコーディングしていて、僕らは古いホテルに宿泊していたんだ。その近くを汽車が走ってた。つまり「汽車が毎日 両方向に走っていく」というのは、僕らがどちらかに進むことができる、ということなんだ。
 僕らの関係はもがいていた。僕はレコーディング中の身だったにもかかわらず、内心は「彼女と一緒にいたい」と、ただそれだけ(笑)。
レコードを作るのは本当に辛い作業だ。あまりにも辛くて、放っておけばやるべきこと、つまりスタート地点に構えて自分が何者かを突き詰めることを一番後回しにして、それ以外のことをしてしまう。僕は彼女との関係を利用して、そのことから逃げていたんだね。あの曲は、自分の愛している人がそこでない別の場所に行きたがっていること、そこから去りたい、先に進みたいと思っていることに気付いた瞬間を歌ってる。
 僕の初めてのいい曲なんだ。自分で曲を書いて、いい曲が書けたな、と初めて思った曲だよ。だから覚えてる。あの曲を書かせた僕の気持ちをよく覚えているし、ギターの演奏にもすごく満足しているんだ。


行き交う汽車、駅を基点にして"上り"も"下り"もあります。世界には「道」もたくさんあります。
彼女との別れは身を切るほど強くても、彼女にも行かせてあげなくちゃいけない…。サヨナラ、そしてそれがまた始まり…。
真剣に人を愛して、そして別れて…"彼"が一歩大人になっていく…"Opening Farewell"ってそういうことなんじゃないかな。

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◆なおジャクソンのこのデビューアルバムですが、アルバムのアートワークの上部に"Saturate Before Using"と書いてあるので、これがアルバムタイトルだと勘違いされる…という事件も少々。"Saturate"=浸す、ずぶ濡れにする、という意味。"使う前に(水に)しっかり浸してください"と書いてあります。これはこのジャケットは、ジャクソンの顔が印刷されているのが「麻袋」で、「麻袋」にこのような注意書きが書いてあることがよくあり、また下部に"LOS ANGELES、CALIFORNIA"と書いてあるのも"この袋(中身のジャクソン・ブラウン)"は"L.A、カリフォルニア産"であるというシャレ、なんですね…(^-^;。
 ウィキペディアによると、ジャクソンの2002年発売の"Under The Covers"というDVDにて、アルバムデザイナーのゲイリー(Gary Burden)とのやりとりをジャクソンが説明している場面があるようです。"麻袋"は正確には"水入れの布袋"。長距離を車で走る際に熱くなるエンジンを冷ますためにこの袋に水を入れてラジエーターの上に置いて使うようです。

あるときジャクソンが電話でゲイリーと話してるときに、ゲイリーが"それできみは(ジャケットを)どうするつもりなんだい?"とジャクソンに尋ねてきたので、ジャクソンは部屋の壁に提げている"Water Bag"を見て、"そうだな、もしそれが水袋だったとしたら…表には"Saturate Before Using"って書いてあるだろうね。それがもし僕のアルバムだったら、そいつは裏面に書かないといけないね"と答えました。ゲイリーは"そうかな?もしきみがアルバムの表にそう書いたら、みんな、それがアルバムタイトルだって思うかもしれないね。"。"そんな馬鹿げたことってないよね。それがタイトルだって思うものか…"。ジャクソンは言いました。"そうさ、きみの言った通り、みんながそれをタイトルだとは思わないよ。でもレコード会社の連中はそれがタイトルだと思うかもしれないよ"。


ジャクソン…デビューアルバムのアートワークからジョークをかます大物です。
デザイナーのゲイリーも冗談好きな人だったのかな (^▽^;)

◆ジャクソンと共演するのはボニー・レイット(Bonnie Raitt)!
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◆ジャクソンの"Solo Acostic Tour"から(2011、London)。ステージの上のアコギの本数がすごい。
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◆ジャクソンのファーストはB面のこの"Rock Me On The Water"から"My Opening Farewell"で幕を閉じます。この2曲、何回か繰り返して聴いてしまいます…。
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◆"あなたはよくこう言っていた…"おわりははじまり…"。
佐野元春さんの「グッドバイからはじめよう」もジャクソンの"My Opening Farewell"の歌詞からインスパイアされたのかな?なんて思います。(歌っているのは、邦楽を自ら弾き語りをするmejizouさんです)
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(この記事で参考にしたページ)
"Inspiration" 著:ポール・ゾロ 訳:丸山京子(アミューズブックス)

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(この曲を購入)
ジャクソン・ブラウン・ファースト
ジャクソン・ブラウン

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