Nothing Rhymed / ナッシング・ライムド (Gilbert O'Sullivan / ギルバート・オサリヴァン)1970



If I give up the seat I've been saving
To some elderly lady or man
Am I being a good boy?
Am I your pride and joy?
Mother please if you think say I am

自分の座ってた席を
僕がお年寄りに譲ったとする
それで僕はいい子になるのかな?
それで母さんは誇らしくて嬉しいのかな?
もしそうだったら「そうだ」って言ってよ

And if while in the course of my duty
I perform an unfortunate take
Would you punish me so
Unbelievably so
Never again will I make that mistake

僕が教会でお務めの最中に
運悪く 失敗をしちゃったら
僕は罰を与えられるのかな
信じ難いほど怒られるのかな
もう間違いを決して起こさないようにって

This feeling inside me could never deny me
The right to be wrong if I choose
And this pleasure I get
From say winning a bet is to lose

僕の心の底の感情は僕を決して否定しない
良いことだって悪くなることもあるんだ
もし僕がそっちを選ぶならね
僕はこんなことを考えて楽しんでるんだ
だって言われてるだろ
"賭けで儲けたお金はすぐに無くなる"んだよ

When I'm drinking my Bonaparte Shandy
Eating more than enough apple pies
Will I glance at my screen
And see real human beings
Starve to death right in front of my eyes

ボナパルト・シャンディを飲んで
アップル・パイを充分すぎるほど食べてるときに
スクリーンの映像が目に入るかい?
現実の人びとたちが
まさに目の前で 飢えて死んでいく光景が

Nothing old, nothing new, nothing ventured
Nothing gained, nothing still-born or lost
Nothing further than proof,
Nothing wilder than youth
Nothing older than time,
Nothing sweeter than wine
Nothing physically, recklessly, hopelessly blind
Nothing I couldn't say
Nothing why 'cos today
Nothing rhymed

古いもの 新しいもの
冒険するものも何もないし得るものも何もない
生まれ続けるものも失くすものもない
証明ほど確かなものはないし
青春ほど荒々しいものはない
時間より古いものはない
ワインより美味しいものもない
肉体的に、無鉄砲なものはないし
絶望的に盲目なものもない
口に出せないものはない
今日がゆえに意味不明なものもない
なめらかにリズムを刻むものだって
何もないんだよ...

This feeling inside me could never deny me
The right to be wrong if I choose
And this pleasure I get
From say winning a bet is to lose

僕の心の底の感情は決して僕を否定しない
良いことも悪いことも結局自分次第なんだから
僕は今じゃこんなことを考えて楽しんでるのさ
"楽して儲けたっていいことなんかない"

Nothing good, nothing bad, nothing ventured
Nothing gained, nothing still-born or lost
Nothing further than proof,
Nothing wilder than youth
Nothing older than time,
Nothing sweeter than wine
Nothing physically recklessly, hopelessly blind
Nothing I couldn't say
Nothing why 'cos today
Nothing rhymed

古いもの 新しいもの
冒険するものも何もないし得るものも何もない
生まれ続けるものも失くすものもない
証明ほど確かなものはないし
青春ほど荒々しいものはない
時間より古いものはない
ワインより美味しいものもない
肉体的に、無鉄砲なものはないし
絶望的に盲目なものもない
口に出せないものはない
今日がゆえに意味不明なものもない
きれいに取り繕ったって
それが物事の本質ってわけじゃないんだよ…

(Gilbert O'Sullivan)

in the course of duties=職務上
win a bet=賭けに勝つ[負ける]
further=〔物事の進展などを〕促進する、前進させる

Released in 1970
UK Single Chart#8
From The Album“Himself”
(ギルバート・オサリヴァンの肖像)

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ギルバートの初来日公演以来、欠かさず観てきたつもりですが、何曲か欠かさず演ってくれる曲があります。
もちろん"Alone Again(Naturally)"、そして"Get Down"、"Clair"、また"Matrimony"や"No Matter How I Try"、そしてこの曲"Nothing Rhymed"の6曲かな。もちろんファンにとって欠かせない、というのもあるのですが、この曲自体、ギルバートにとっても大切にしている一曲なんだろうなと思っています。

Gilbert O'Sullivan.netの「Song Index」では、ギルバートはこの曲について、次のように言っています。

"Nothing rhymed"のメロディが好きって人もいれば、歌詞がいいって人もいるのでどっちが素敵かなんて議論は不毛だよね。僕も曲作りでは両方に力を入れたんだ。だから郵便屋さんがこの曲のメロディを口づさん出たり、この曲の歌詞について語ってくれたら嬉しいんだよ



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◆イントロの哀愁を帯びた旋律、"Nothing…"を繰り返すサビの部分、何でもないような日常を語る歌詞のなかでピリッとした皮肉を入れたりする作品が多いなかでも、この曲の歌詞は、若かったギルバートが感じている社会の矛盾、そして人の人生について考えたことを歌っているように思います。

なかなかこの曲を和訳しなかったのは"Nothing Rhymed"という意味が日本人の僕にはちょっとわからなかったことにもよります。今もわかったわけじゃないんですけど、ギルバートの来日を前にしてちょっと考えてみたいなと思ったので今回この曲の和訳に挑戦してみました。

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◆僕が和訳ブログを始めるずっと前に、この曲の歌詞で"winning a bet is to lose"という英語を「悪銭身に付かず」という格言で訳されているのを見ました。日本人でもあまり「悪銭身に付かず」なんて言わないので、意味をあまり考えずにふーんと思っていたのですが、今回の和訳ではなぜ彼がこの考えを持ったことを"Plesure"に感じてるのかな?と思いました。
なお、ちなみに、和英辞書で「悪銭身につかず」を英訳にすると"Easy come, easy go""Soon got、soon spent."あたりが出てきて、"Winnin a bet is to lose"とは出てきませんね。

"winning a bet is to lose"=直訳すると「賭けに買って得たものはすぐに失うもの」というあたりでしょうか。そして彼は思うわけです。良いことだって悪いことにもなる、楽して儲けたってそんな金はすぐになくなるんだ。つまり、そんなことにあくせくしても仕方ないじゃないか、と。

◆"ボナパルト・シャンディ"を飲んで、"アップル・パイ"をたらふく食べている僕たちは、飢えて死んでいく人たちのことを考えることってできるのだろうか?…真面目なことを考えてしまう自分について、告白する主人公です。ところで"ボナパルト・シャンディ"とはどんな飲み物でしょう…?僕は当初、アイルランドで何かしら一般的な飲み物なのかな?と勝手に思っていたのですが、いくら検索しても出てきません。海外の方も"What is Bonaparte Shandy?"などサイトで質問したりしています。
そのサイトではギルバートが"ナポレオン・ブランディ"を"ボナパルト・シャンディ"と言い換えたんじゃないか?と出ていました。これはなるほどなあと思いました。"Nothing Rhymed"の歌の主人公は設定としては"少年"であることを想像させます。歌詞の上で、"飢えて死にゆく人々"たちとの対比をするのに"美味しい飲み物"と"美味しい食べ物"を引き合いに出すにあたって、ブランデーではまずい、ということで、ナポレオン・ボナパルトの名前からとって"ボナパルト・シャンディ"という飲み物の名前を作ったんじゃないかな、という説。そんな風に思います。

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◆そして"Nothing…"が続いていき"Nothing Rhymed"と結ぶサビの部分。何て言うんでしょうね。主人公が学んだもの、それは「物事の本質は変わらない」ということ、何か違いがあるようで僕らは"新しい"とか"古い"とか、色んな意味付けをするけど、時の流れのなかでは「新しい」も「古い」もないじゃないか。一方、「証明」は確かなもの、「青春」は荒々しいもの、「時間」は僕らが生まれる前から流れていて古いもの...そんなことにいちゃもん付けたってしょうがないじゃないか。...そして"Nothing Rhymed"…。
「韻を踏む」こと…僕にとっては「芸術」の「巧みな技」という印象を持ちます。同じ音・似た音を使いリズミカルに流れるようなテンポで言葉を結びます。しっかり「韻」を踏んでいる言葉や歌詞に出会うと、ほほう…と感心してしまいます。
 プロのソングライター・作詞家さんはやっぱり「韻を踏む」ことを考えるんでしょうね。そのため語句を倒置したりすることもあるし、同じ韻を踏む語句であればニュアンスが若干変わっても使うこともあるのでしょう。
 僕の勝手な解釈は和訳の通りです。この曲の主人公(ギルバート)は「韻を踏む」ことにこだわっても、それは言葉の「音」の話しであって、本質は変わらないんだということ、物事の本質を見ないといけないんじゃないか、と言っているように思いました。

◆1971年のスタジオでの"Nothing Rhymed"。周りに座っている若者はこの曲の歌詞をどう受け取ったのかな。またギルバートはどう思ったかな。
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◆1983年の日本公演からの"Nothing Rhymed"です。
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◆"Matrimony"~"Clair"~"Get Down"のメドレーです!
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◆最近のセットリストに入っていますね。"Disappear"…1967年11月リリースのギルバートの最初のシングルです! (B面は"You")
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(今日のお弁当)そぼろ弁当
*スプーンを付けるのを忘れずに…!

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