Laura / ローラ (Billy Joel / ビリー・ジョエル) 1982



Laura
Calls me
In the middle of the night
Passes on her
Painful information

ローラは
僕に電話をかけてくる
それも真夜中になんだ
彼女が苦痛だった話を
僕に伝えてくるのさ

Then these careless fingers
They get caught in her vice
Til they're bleeding
On my coffee table

そして 僕の無警戒な指たちは
彼女の悪癖の罠にかかってしまう
遂には
僕のコーヒーテーブルの上に
血を流すようになるんだ…

Living alone isn't all that
It's cracked up to be
I'm on her side
Why does she push
the poison on me?

ひとりでの生活も
思われてるより悪いもんじゃない
僕は彼女の味方なのに
どうして彼女は
僕に毒を盛ろうとするんだろう?

Laura
Has a very hard time
All her life has
Been one long disaster

ローラは
とても辛い日々を過ごしてきた
彼女の人生はずっと
長い災難が続いてるのさ

Then she tells me
She suddenly believes she's seen
A very good sign
She'll be taking
Some aggressive action

そして彼女は僕に言うんだ
突然とてもいい兆しが
見えてきたってことと
これからは何かしら
積極的に行動するんだ
ってことをね

I fight her wars
While she's slamming her doors
In my face
Failure to break
Was the only mistake
That she made

僕が彼女の"戦い"に加勢する一方で
僕の目の前でドアをピシャっと閉めるんだ
僕と縁を切るのをしくじったのが
彼女のたったひとつの
失敗だったんだよね

Here I am
Feeling like a fucking fool
Do I react the way exactly
She intends me to?

僕はここにいるけど
自分がとんでもない間抜けに
思えてるんだ
僕は彼女がもくろんだ通りに
反応しているのだろうか?

Everytime I think I'm off the hook
She makes me lose my cool
I'm her machine
And she can punch all the keys
And she can push any button
I was programmed through

難を逃れたと思ってもいつも
彼女は僕の冷静さを奪っていくんだ
僕は彼女の機械なんだ
彼女はどんなキーを打つこともでき
彼女はプログラムされてる
どんなボタンでも押せるんだ

Laura
Calls me
When she needs a good fix
All her questions
Will get sympathetic answers

ローラは
僕に電話をかけてくる
いい解決方法が欲しい時にね
何を質問しても
同情的な答えを得られるように
なっているんだ

I should be so immunized
To all of her tricks
She's surviving
On her second chances

僕は慣れておくべきだったよ
彼女の手口のすべてにね
彼女は生き延びてるんだ
それは二度目のチャンスがあるからさ

Sometimes I feel like this
Godfather deal is all wrong
How can she hold an umbilical chord
For so long?

ときどきこう感じるよ
「名付け親」になったところで
何の意味もないんだってね
彼女はどうして
僕の「へその緒」をいつまでも
握って離さないんだろう?

I've done everything I can
What else am I supposed to do
I'm her machine
And she can punch all the keys
And she can push any button
I was programmed through

僕はやれることはすべてやったよ
あと何ができるって言うんだい?
僕は彼女の機械で
彼女はどんなキーを打つこともできる
彼女はプログラムされてる
どんなボタンでも押せるんだ

Laura
Loves me
Even if I don't care
That's my problem
That's her sacred absolution

ローラは
僕を愛してくれてる
僕がどう思おうとね
そいつは僕の問題さ
彼女はそれを聖なる免罪符にしてるんだ

If she had to
She would put herself in my chair
Even though I faced electrocution

もし僕が
電気椅子に座らなきゃいけないとしても
彼女はそうしなきゃいけないなら
代わりに椅子に座ってくれるんだ

She always says
I'm the best friend that
She's ever had

How do you
Hang up on someone
Who needs you that bad?

彼女はいつだって
これまでの友達のうち
僕がベストフレンドだって言っている

こんなにまで僕を
必要としてくれてる人からの
電話を切るなんてできないんだ…

(Billy Joel)

pass on=移す, 伝える、肩代わりさせる.
get caught in
=~に巻き込まれる、〔わな〕に掛かる
be cracked up to be
= [通例否定文で] …という評判である, …と信じられている
disaster=災害,大惨事; 大きな災難[不幸]
off the hook=窮地から脱して、責任を免れて
immunized=免疫する, 免疫化する
godfather=教父,名親; 代父
deal=もてなし、待遇
umbilical cord=へその緒
absolution=免除; 無罪の申し渡し
electrocution=感電死.電気死刑.

Released in 1982
From The Album"Nylon Curtain"

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1月の月イチ・ビリー。
リクエストもいただいておりました、アルバム「ナイロン・カーテン」から"ローラ(Laura)"を取り上げました。
ただし最初に言っちゃいますが…歌詞が難解すぎて、かなりの意訳をしております(-_-;)。

◆アルバム「ナイロン・カーテン」は1980年「グラス・ハウス」の後、1981年にライヴ・アルバム「ソングス・イン・ジ・アティック」の翌年1982年のリリースです。(ビリーは翌年は「イノセント・マン」を発表しています)
この年1982年4月に、ビリーはバイクで事故を起こし入院。その病院の病室の窓にかかっていたナイロン・カーテンがアルバムタイトルになったと言われています。アルバム全体は、この時代のアメリカのレーガン政権での社会的変化を背景に、重く暗い感じのトーンとなっているのは、この怪我の経験や、長年連れ添ってきた年上女房エリザベスとの離婚なども影響していると思われます。

◆このアルバムは、"僕にとってのサージェント・ペッパーズさ""これが自分の最高傑作だと思ってる"等、ビリーが語っているようです。
A面だけでも、「アレンタウン」は、変わり行く中小の工業都市の風景、「プレッシャー」は現代人に日々"襲いかかってくる"プレッシャーにどう対応するのか?、「グッドナイト・サイゴン」はベトナム戦争から帰還した兵士たちの不遇を歌っていますね。では、A面の「アレンタウン」と「プレッシャー」の間に挟まれた、この曲「ローラ」は何を歌った歌なのでしょう?

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◆アルバム「ナイロン・カーテン」国内盤のライナーノーツにビリーが日本のファンに寄せた各曲のコメントが出ています。"ローラ"についてのコメントを引用します。

この唄に女性の名前のタイトルを付けたくはなかった。きみを締めつける術を知っている人、きみの身近にいる人なら誰でもいい。それがきみの母親だろうと、父親だろうと、女房だろうと、亭主だろうと、親戚だろうと、友人だろうとね。この唄の趣旨は"真夜中に誰かがきみに電話をかけてくる"というものだった。ところが、歌ってみるとどうもうまく合わない。"Someone"だと、どうもゴロが合わないが、"Laura"だとうまく合う。印象も強烈だ。だから、僕が唄を書く場合、性別とか名前とかをはっきり明示しているとしても、必ずしも、ある特定の人物を指しているわけではない。あるタイプの人物を指しているだけなんだ。


夜中電話をかけてくるちょっと迷惑な女性"ローラ"…僕は当初、一つ前のアルバム「グラス・ハウス」に出てきた"レイナ(Lyna)"の続編かなと思ったのですが、違っていたようですね。あと"夜中の電話"ということでは受ける方ではなく、こちらからかける場面を歌ってる「Sometimes A Fantasy(真夜中のラブコール)」も思い出されます。"

◆ビリーに言わせるとタイトルは"Someone"でヨカッたということですね。この"Someone"ですが"真夜中に(人の迷惑を考えず)電話をかけてくる"誰かであり、自分とは"腐れ縁のような関係"なんでしょうね。嫌なことがあったら、あなたもそう思ってよと同じ思いを押し付け(pass on)てきます。
・「僕の無警戒な指たち…僕のコーヒーテーブルの上に血を流すようになる」
ちょっと解釈がわかりませんでした。"電話に気軽に出る(指でボタンを押す)"ことを"careless fingers"と歌ったのかな?"コーヒーテーブルの上の血"というのは、テーブルを片付けて寝ようとしてたところ、いつまでも片付かない状態?を歌ったのかな。

・「僕は彼女の味方なのにどうして毒を盛るのか」
毒を盛る=喧嘩を売る?ってことかな。電話で話してると、こっちは聞いてあげてるだけなのに、その受け答えの仕方にケチをつけてくる。まあそのことで発散したいんでしょ?

・「彼女は生き延びる。二度目のチャンスがあるから」
これもよくわからない。ひょっとして?と思ったのは、一度目は彼女自身が経験し悲しかったり辛い思いをする。とても辛いんだけど、家に帰って「僕」に電話して愚痴ることで気が晴れるということを言っているのかなと思いました。(僕に電話で話し、同じように感じてもらうことを、二度目のチャンス、と呼んでいる?)

・「ゴッドファーザー」「へその緒」
これも難解。和訳解釈に自信なし(-_-;)。でも「へその緒」=実の親が持っているもの、ですよね。だからここの「ゴッドファーザー」はギャングやマフィアの話ではなく「名付け親」の意味なのかなと思いました。「へその緒を握ってる」=僕の大事なものを握って離さない、という意味だと思いますので、「へその緒を握っている人がやっぱり親なのであって、名付け親(ゴッドファーザー)くらいじゃ"親"と付いてたって意味をなさない」とか?

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◆◆◆いずれにしても(←逃げの文句ですね)ビリーのメッセージは…

現代人であるきみにも僕にも、この歌に出てくる「ローラみたいな人」っているだろ?付き合うのも面倒くさくてウザいんだけど、切っても切れないような仲の人間関係が誰にだってある。それはここまで「自分を頼りにしてくれるような人」は実は「きみにとって必要な人」なんだよ。

ってことなんじゃないかな。

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◆サウンドについて何も触れませんでしたが、イントロは静かなピアノ曲を連想させますが、歌が始まるとハードなロック。この曲はやっぱビートルズっぽいよね。ビリーの歌い方も途中でワイルドになり、間奏のギターはちょっとジョージっぽい。

◆ライヴでの"Laura"from New York at MSG in 2006
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◆質問に答えて…Q&A: Who Was Laura, What Did She Do? (Hobart & William 1996)
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(この記事で参考にしたページ)
・Wikipedia The Nylon Curtain
・Laura Songfacts
・アルバム「ナイロン・カーテン」国内盤ライナーノーツ

(この曲を購入)amazon.co.jp
ナイロン・カーテン Original recording remastered
ビリー・ジョエル

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コメント

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歌の背景や解説まで書いてくださりありがとうございますm(._.)m
しっかりとした日本語に訳されていて凄くて驚いてます笑
意訳難しいですよね‥むしろネイティヴの方はこの比喩を理解できるんでしょうかね?笑

ゴッドファーザー

にあるちさん、ご依頼の件、なかなかハードでした!でも楽しかったですよ(^o^)。ゴッドファーザーのくだりは、映画のシリーズを見ていると何かヒントがあるのかもしれないなあと思ったのですが、さすがに時間もなく、考えられる解釈をでっち上げ!?てしまいました。確かに、もしかしてネイティブの方に聞いた時に、そんなに意味はないよ、なんて言われるかもしれませんね(^_^;)。またよろしくお願ます!