Through The Barricades / スルー・ザ・バリケード (Spandau Ballet / スパンダー・バレエ)1986


Spandau Ballet - Through The Barricades - YouTube 投稿者 dm_5058b4d1a71a6

Mother doesn't know where love has gone
She says it must be youth
that keeps us feeling strong

I see it in her face that's turned to ice
And when she smiles
she shows the lines of sacrifice

母さんには
愛がどこに行ってしまったかわからない
彼女は言う
"愛だの恋だのって気持ちが強くいられるのは
若いときだけなんだ"って

氷のように変わってしまった母さんの表情
彼女の笑った顔のしわは
自分を犠牲にしてきた証しなんだ

And now I know what they're saying
As our sun begins to fade
And we made our love on wasteland
And through the barricades

いま僕はわかってきたんだ
僕たちの太陽が かすみ始めていくにつれ
母さん達が言っていることが

僕たちは荒れ野で愛を交わしあってたんだ
バリケードの向こう側で

Father made my history
He fought for what he thought
would set us somehow free

He taught me what to say in school
I learned it off by heart
but now that's torn in two

僕の歴史は父さんの手で作られたもの
父さんは自分の考えで戦い行動し
僕らにとにかく自由を与えてくれた

父さんが教えてくれたのは
学校でも言われていることだった
僕はそれらを丸暗記した
でもそれはいま
真っ二つにされてしまったんだ

And now I know what they're saying
In the music of the parade
And we made our love on wasteland
And through the barricades

いま僕はわかってきたんだ
父さん達が言ってたことが
パレードの音楽を聴くなかで

僕たちは禁断の地で愛を確認してたのさ
バリケードなんか飛び越えて

Born on different sides of life
But we feel the same
and feel all of this strife
So come to me when I'm asleep
And we'll cross the line
and dance upon the streets

人生の正反対の場所に生まれた二人
感じることは同じなんだ
そしてこの紛争のすべてを感じてる二人
そうさ
僕が眠っているときに来てごらん
僕らは一線を飛び越えて
通りで楽しく踊ってるんだ

And now I know what they're saying
As the drums begin to fade
And we made our love on wasteland
And through the barricades

いま僕はわかってきたんだ
みんなの言っていることが
ドラムの音が消えていこうとするなかで

僕たちは荒れ果てた地で愛を育ててきたんだ
二人を分かつバリケードを越えて

Oh, turn around
and I'll be there
Well there's a scar right through my heart
but I'll bare it again
Oh, I thought we were the human race
But we were just another borderline case
And the stars reach down and tell us
That there's always one escape

ああ 振り向いてごらん
僕もそこに行くからね
心には傷を抱えているけれど
もう一度さらけ出してみるよ
ああ 僕たちは同じ人間だって思っていたけど
境界線に生きる別な生き物だったんだ
星達が降りてきて教えてくれる
いつだって逃げ道はひとつあるってことを

Oh, I don't know where love has gone
And in this troubled land
desperation keeps us strong

Friday's child is full of soul
With nothing left to lose,
there's everything to go

ああ 僕も愛がどこに行ってしまったか
わからないんだ
でもこの混迷の地のなかでは
生き抜くことこそが僕たちを強くするんだ

金曜日生まれの子どもは元気いっぱい
失くすものは何もなく
すべては前に進んでいくんだ

And now I know what they're saying
It's a terrible beauty we've made
So we make our love on wasteland
And through the barricades

いま僕はわかってきたんだ
色んな人達が言っていることが
僕らは恐ろしいまで美しいものを
作ってきたんだから

荒れ果てた地で愛し合い
バリケードを乗り越えてきたんだから

And now I know what they're saying
As our hearts go to their graves
And we made our love on wasteland
And through the barricades

そうさ 僕は今わかったんだ
僕たちの魂がお墓に還っていくときに…

僕らは荒れ果てた地に
愛の種を埋めたんだ
二人の間にある
バリケードなんか乗り越えて…

Writer(s) Gary Kemp
Lyrics c Sony/ATV Music Publishing LLC

wasteland=荒れ地; 不毛の地
learn off by heart=丸暗記する
strife=争い,闘争
desperation=自暴自棄、死に物狂い

Released in 1986
UK Single Charts#6
From The Album"Through the Barricades"

Spandau_Ballet_-_Through_the_Barricades_Coverart.jpg

 この曲を初めて聴いたのはFMラジオだったかなあ?「Through The Barricades(=バリケードを越えて)」というタイトルが衝撃的だったし、曲を聴いていて、何かその背景にある悲しい?物語が伝わってきました。色んな曲を訳してきましたが、いつか手掛けようと思っていた曲です。だいぶ意訳しましたが、なんか感動したりしてます。

◆作者のゲイリー・ケンプはこの曲についてこう語っています(この曲のSongfactsから)。

この曲はラヴ・ソングだよ。僕が知っているなかではベストのね。ロミオ&ジュリエットの曲なんだ。恋人たちが本当は許されない関係を続けようと努力する曲なんだ。


"許されない恋"…この曲は"北アイルランド紛争"を背景にして書かれています。

*北アイルランド紛争とは?(朝日新聞「キーワード」より)

1937年にアイルランドが独立。英国に残った北アイルランドでは、英国からの分離とアイルランドへの併合を求める少数派のカトリック系住民と、英国の統治を望む多数派のプロテスタント系住民が対立した。60年代後半に始まったテロなどの犠牲者は3200人を超えた。98年に包括和平合意が成立した。



Spandau-Ballet-Through-The-Barri-117268.jpg
(これはツアーのパンフレット)

◆歌詞でも"We made our love on wasteland through the barricades""But now that's torn in two"など、"2人は「不毛の地」で愛を交わしあった…でも2つに引き裂かれた"などの歌詞が出てきて、曲も後半にはドラムとマーチング音楽が、戦争のパレードを思い起こさせたりします。
前述のSongfactsではこのような解説がありました。

 歌詞はシェイクスピアの演劇のように、悲劇のラストを迎えます。"Hearts go to their graves(心はそれぞれのお墓に行く)"という歌詞がありますが、これが指すものが"二人の恋の終了"の比喩なのか、二人が心中の約束をしたのか、どちらなのかは明らかにされていません。


◆また、この曲が書かれた背景ですが、1983年にスパンダー・バレエのクルーであり、カトリック教徒のThomas Rileyがアイルランドの都市Belfastで警官に射殺されるという事件がありました。1985年に、Thomasの兄弟のJimがTomasの墓参りに行きたいと言ってきたこともあり、ゲイリーはBelfastに行きました。そこでゲイリーが見たものは、バリケードが街をカトリック側とプロテスタント側を2つに分割している光景でした。そのとき彼は非常にショックを受けたそうです。
1年後にゲイリーはアイルランドに住んでみました。ある晩にこの曲の構想が浮かんで、すぐにギターを持って曲を作ったということです。

Barricadesinges.jpg

(これはシングルのジャケット。英文はこの曲の歌詞が書かれてます)

◆"北アイルランド問題"そのものについての意見などはこのブログでは触れないでおきたいと思います。ただ、ラヴ・ソングであっても、二人の間の感情の話だけで成り立つ歌もあれば、社会が色濃く反映する愛もあるんだということ。そんなラヴ・ソングもあるのですね。

◆1987年のPrince Trustのステージから"Through the Barricades"。終盤にクラプトンの泣きのギターが聴けます!
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◆北アイルランド問題を歌った曲その1…U2の"Sunday Bloody Sunday".Live Aidのステージから。
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◆北アイルランド問題を歌った曲その2…ポリスの"Insible Sun".
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(この記事で参考にしたページ)
・http://roestmagazine.weebly.com/articles/its-the-same-old-theme-since-1916
・Wikipedia Through The Barricades
・Through The Barricades Songfacts
ジャケット写真もここからいただきました。

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