White Queen (As It Began) / ホワイト・クイーン (Queen / クイーン)1974



So sad her eyes
smiling dark eyes
So sad her eyes
as it began

とても悲しげな あのひとの瞳
微笑を浮かべた 暗いまなざし
なんて悲しそうな あのひとの瞳
…すべてがここから始まったんだ

On such a breathless night as this
Upon my brow the lightest kiss
I walked alone

こんな風に
息をひそめるような静かな夜のことだった
僕の眉のあたりに
軽やかなキスのような風が吹いてきた
…僕はひとりで歩いていたんだ

And all around the air did say
My lady soon will stir this way
In sorrow known

あたり一面の空気がさざめきだし
僕のあの人がこんな風に
僕の心をかき乱すんだ
…いつもの悲しそうな表情で…

The white queen walks
And the night grows pale
Stars of lovingness in her hair

"白い女王"が歩いていくと
夜の暗さが薄らいでいき
あの人の髪に星々の瞬きが映る

Needing unheard
pleading one word
So sad my eyes
she cannot see

大切なことは…聞こえない
お願いしたいよ…一言だけ
僕の目にも深い悲しみが宿る
…でもあの人は
その瞳で見ることはできない…

How did thee fare
what have thee seen
The mother of the willow green
I called her name

どうやって暮らしていくのか
何を見て過ごしていくのか
僕の"白い女王"は
失った愛にずっと悩んでいる女性
僕はあの人の名を呼んでしまった…

And 'neath the window have I stayed
I loved the footsteps that she made
And when she came

窓の下に 僕はたたずむ
僕はあの人の立てる足音が愛しく思うんだ
そしてあの人が来た…

White queen
how my heart did ache
And dry my lips no words would make
So still I wait

"ホワイト・クイーン"
はかることのできないほどの僕の胸の痛み
くちびるは乾き 言葉は何も出てこない
そして僕は静かに待つんだ…

My goddess
hear my darkest fear
I speak too late
It's for evermore that I wait

僕の女神
僕のこの上ない絶望的な恐れを聞いてくれ
もう遅すぎるよね…
僕は待つ…それは永遠に

Dear friends goodbye
No tears in my eyes
So sad it ends

as it began…

親しき友よ サヨウナラ
僕の目には涙はない
こんな悲しい別れはないよ

まるでここから始まるみたいに…

Writer(s) Brian May

grow pale=薄らぐ, 血の気が引く
thee=《古・詩》なんじを[に]
fare=(よく,まずく)やっていく,暮らす

Released in1974
From The Album"QueenⅡ"

queen--queen-ii3.jpg

"QueenⅡ"="白"と"黒"の対比されたアルバム…!
・外側が黒で、ジャケットを見開くと白!
・レコードのA面が"白"(White Side)、B面が"黒"(Black Side)!
・White Sideは"白い女王"、Black Sideには"黒い女王"の歌がある!
・やっぱり"白=天使"と"黒=悪魔"ってイメージがあるんですよね。

◆こんなスゴいアルバムはなかった!
クイーンってスゴいバンドだ!と子どもの僕はノックアウトされました。
(レコードがCDになって、この"対比"がしっかり表現できないのが残念)

今日は"白"と"黒"から1曲ずつお届けします。
スマートフォンの僕のブログのページは曲のアートワークが出るようなフォームにしているのですが、白と黒、しっかり並んで出ているかな?

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(この画面が見たかったのです!)

◆"QueenⅡ"では、"White Side"はギターのブライアン・メイ(1曲だけロジャー)、"Black Side"がフレディの作品となっています。この曲はタイトルも「ホワイト・クイーン」ですので、アルバムのなかでも重要曲、思い入れのある曲だったのだろうと思います。マーティン・パワー著「全曲解説シリーズ クイーン」のこの曲についての解説を引用します。

:「ホワイト・クイーン」は、彼(ブライアン)がインペリアル・カレッジの学生だった当時に書かれた曲だった。伝えられるところによれば、ブライアンは同級生に思いを募らせながら、どうしても勇気を出して彼女に話しかけることができなかった。後にロバート・グレイヴスの小説「The White Goodness」を読んだ彼は、グレイヴスの文学的テーマと自らの経験に相通ずるものを見い出す…。

また、ブライアン自身はこの曲についてこう言っています。

:"ホワイト・クイーン"は僕のありのままのエモーションをたっぷりと込めた曲だよ。ヒットとは言えないけど、僕としては自分の代表作としてみんなに覚えておいてもらいたい曲のひとつなんだ。


◆今回、実際に和訳に取り掛かる前までは"昔むかし…"的に、創作の世界のなかで「白い女王」の物語が歌われているイメージを持っていました。ブライアンらしく(?)、文学的な語り口で歌詞が綴られたのは、小説「White Goodness」の影響でしょうか。"White Queen"とは主人公がとある女性に名付けたニックネーム。彼は彼女にあこがれ、慕い、自分だけの心のなかでそう呼んでいたんでしょうね。触れてはいけない繊細な女性という感じがします。でも彼女はいつも悲しみに包まれている…彼にはどうすることもできない…。

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◆歌詞では"The mother of the willow green"が一番苦労しました。"White Queen"に"Willow Green"と韻を踏んでいるのはありますが、"ヤナギの緑の母"って何? "白い女王"がなぜ"ヤナギの緑"を?ちなみに"Willow Green"って色があるんですね。色ものがたり 緑系の色その3
(ウィローグリーン…もの悲しい感じの色です。ヤナギの緑ってもっと青々とした印象あるけどな)

調べていくなかで発見したのは、"wear the willow"(ヤナギを身にまとう)という言葉。(1)失恋する.(2)恋人の死をいたむ.って意味があるようです。ジェリ・サザーンというジャズ・ボーカリストの古いスタンダードナンバーで"I'll Wear The Green Willow"って曲もありました。

"The mother of…"は、ことわざ"Necessity is the mother of invention.(必要は発明の母)"を思い浮かべますが、 "本源,源 〔of〕"って意味ですよね。このニュアンスは訳せてないと思っていますが、"失った愛をずっと悩んでいる"と超意訳をしてしまいました(^▽^;)。
作詞したブライアンが"White Queen"と"Willow Green"を対比させてるんだろうと捉えましたので、敢えて「僕の白い女王は"ヤナギの緑"になってしまっている=失った愛に悩んでいる」…。"悲しげな瞳"は"失った愛"のためなんですね。

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◆ブライアンの学生時代の片思いがベースになっていると聞いたので、それ風に和訳しましたが、いつも白いドレスを着ている女王が伴侶を失ってショックを受けているのを見るのだが、何もできずに、ただ想いだけ慕っている家臣?なんて物語も描けるかなと思います。作者ブライアン、歌ったフレディ的に言うと、こっちだろうな(^▽^;)。女王は"エリザベス女王"のイメージとか、歌詞自体がシェイクスピア作品をモチーフにしているっていう見方もあるようですね。

◆Queen White Queen (As It Began) Live At Hammersmith Odeon 1975
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◆White Queen (Langham Studio Version) 。懐かしい写真たちと…。
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◆Jeri Southern - I'll Wear The Green Willow
私の真実の愛が逝ってしまった。私はウィロー・グリーンを身に付けるわ…。
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(この記事で参考にしたページ)
・Wikipedia QueenⅡ
・全曲解説シリーズ クイーン(シンコー・ミュージック)
・色ものがたり 緑系の色その3
ジャケット写真もここからいただきました。

(この曲を購入!)Amazon.co.jp
クイーンⅡ<リミテッド・エディション> クイーン
queen--queen-ii2.jpg

この4人のダイヤモンドのようなフォーメーション。Queenのシンボルとも言えますよね。


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コメント

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No title

初めまして、蘭太郎と申します。

クイーンが好きでよく聴いています。
アルバムの中でもクイーン2は、別格の雰囲気がありますよね。

そして、White Queenの歌詞で、
"The mother of the willow green"の
意味が漸く分かりました。ありがとうございます。

英語の慣用表現と韻を踏むことで、このような歌詞が産まれたんですね。

丁寧な翻訳と作品のバックグラウンドも紹介してあって、素敵なブログですね。

よろしくお願いいたします

蘭太郎さん、コメントありがとうございます。僕の洋楽の趣味は"浅く広く"なので、和訳も深いバックグラウンドまで入っていくものはそう多くはなく、そのアーチストさんを愛しているファンの方からすると解釈が違ったり…とかもあるかもしれないなあと危惧もあります(-_-;)。Queenについては、僕はQueen一筋、というわけではないけれど、洋楽の世界にのめり込むきっかけを作ってくれたアーチストで思い入れは深いです。子どものとき驚愕して聴いた「QueenⅡ」の「ホワイトとブラックを訳す」作業は結構気合が入りました。"willow green"についても背景に多少なりとも迫ることができたかなあと思っています。「QueenⅡ」と「オペラ座の夜」はやっぱり全曲和訳&解説をしていきたいです!今後ともよろしくお願いたします!