And So It Goes.../ そして今は…(Billy Joel / ビリー・ジョエル) 1990



In every heart there is a room
A sanctuary safe and strong
To heal the wounds from lover's past
Until a new one comes along

誰の心のなかにも安全で頑丈な
その人だけしか知らない“聖域”がある
新しい恋が訪れるそれまでの
過去の恋の傷跡を癒す場所なんだ

I spoke to you in cautious tones
You answered me with no pretense
And still I feel I said too much
My silence is my self defense

きみに用心深く話しかけたら
きみは隠すことなく答えてくれた
それでもなお
僕は言い過ぎたかなと思ったんだ
沈黙は僕の自衛の手段のはずなのに

And every time I've held a rose
It seems I only felt the thorns
And so it goes and so it goes
And so will you soon, I suppose

薔薇を手にしたときはいつも
僕が感じるのはそのトゲだけみたいだ
そうなるしかないのさ 恋だって冷めていく
きみもすぐにそうなっていくんだ
僕はそう思う

But if my silence made you leave
Then that would be my worst mistake
So I will share this room with you
And you can have this heart to break

でも僕が沈黙を続けていたことで
きみが去ってしまったら
それは僕の一番のあやまちだ
だから僕はきみとこの“聖域”を共有しよう
きみは僕のこの心を傷つけてもかまわないよ

And this is why my eyes are closed
It's just as well for all I've seen
And so it goes and so it goes
And you're the only one who knows

これが僕が目を閉じている理由
今まで見てきたものを思うとそれがいい
仕方ないんだ 時は流れていく
自分しかわからないことだから

So I would choose to be with you
That's if the choice were mine to make
But you can make decisions too
And you can have this heart to break

僕に選択がまかされているのなら
きみと一緒にいることを選ぶさ
でもきみにだって選ぶ権利があるよね
僕の心を傷つけることだって自由さ

And so it goes and so it goes
And you're the only one who knows

仕方ないんだ 移り変わっていくんだ
自分をわかっているのは
自分だけなんだから…

Songwriters JOEL, BILLY
Lyrics c Universal Music Publishing Group

pretense=見せかけ
as well for=したほうがよい

Released in 1990
US Billboard Hot100#37
From The Album“Storm Front”

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 11月の月イチ・ビリーは“そして今は…(And So It Goes…”。アルバム「ストーム・フロント」のラストを飾る静かな曲です。

◆2011年の「The Complete Album Collection」のリリースの際にビリーがアルバム14作を語るインタビューを行っています。アルバム「ストーム・フロント」についてビリーが語っているなかでは、この曲について次のようにふれています。
:実は1曲、嵐のあとの静けさ的な古い曲が入っている。アルバム全編を通じて嵐が吹き荒れる最後に、嵐の終わりを告げる曲なんだ。古い曲で「そして今は…」っていう曲だけど、長い間ずっと居場所を探していて、ようやくこのアルバムに収められることになったんだ。

◆この曲のSongfactsには次のようにあります。
;この曲は1980年代初期に書き始めた曲です。ビリーがスーパーモデルのエル・マクファーソンと関係があった頃の曲です。二人の置かれているバックグラウンドが違うことから、ビリーもこの関係が長続きできるとも思っていませんでした。そのことを予測して書かれたのがこの曲の“you can have this heart to break…”という部分です。

◆ビリーの最初の奥さんは年上女房「エリザベス」。ビリーのマネージャー役も務めたしっかりもののの女性と言われていました。「Just The Way You Are」「She's Got A Way」「She's Always Woman」などの曲はエリザベスのことを歌った歌と言われています。そんなエリザベスとはアルバム「ナイロン・カーテン」リリース前後の1982年に離婚してしまいます。
 愛しながらも息のつまる生活をしていたビリーは離婚を機にむしろ若返ったような意欲的な傑作「イノセント・マン」を発表します。
 “ツアーから帰ってきたら、大勢の女の子たちがいて一度に15人の恋人ができたよ”なんて調子のいいことも言っていたそうです。そんななかでスーパー・モデルのクリスティ・ブリンクリーとエル・マクファーソンにはビリーは相当夢中になっていたそうです。エルのために書いたと言われる曲はアルバム「イノセント・マン」の「Uptown Girl」「This Night」、そして「And So It Goes…」もこの頃書いた曲のようです。

 そうしてビリーは、エルとは別れて、1985年にクリスティと結婚…!(続きはまたいつか!)

◆“And So It Goes…”インターネットのweblio対訳辞書には“しゃあない”と一言だけ訳が掲載さてていました。そうなるようにしかならない…んです。
“沈黙は僕の自衛手段”“僕の沈黙で君が離れてしまったらそれは最大のあやまちさ”の“沈黙”で想い出した曲があります。それは先月の月イチ曲“Leave A Tender Moment Alone(夜空のモーメント)”。この曲もアルバム「イノセント・マン」収録曲です。ってことはやっぱりこれもクリスティやエルとの交際のときにその経験なんかを踏まえて作られた曲なのかな。“Leave A Tender Moment Alone”では「沈黙に耐えられなくて、冗談なんかを言ってしまう」ビリーの姿が垣間見れました。この曲の歌詞と合わせて考えると、ビリーにとっての「沈黙」「話さずに静かにしていること」は「自衛措置」の「マジメな自分」。やはりエンターティナーでなければいけない商売をしているビリーです。「静かに黙っている」本当の自分を見せるのは信頼できる人の前だけだったのかもしれません。普段はひょうきんだったり、かぶいたり…。この曲の歌詞にあるように、エルさんとも“Room(=sanctuary)”を共有(Share)しようと「マジメな自分」を出したのですが、彼女は“you can have this heart to break…”の方を選んだというわけなのでしょうかね…(*_*)

◆ところで、アルバム「ストーム・フロント」のアルバムジャケットのこの赤い地に黒四角のある旗の意味は…こちらをご参照。 「I Go To Extremes 」愛はイクストリーム (Billy Joel)1990

◆“And So It Goes”はアート・ガーファンクルもステージでたまに取り上げることがあるようです。12月のアートの来日公演でもひょっとすると…(期待)
↓↓↓↓↓


(この記事で参考にしたページ)
・Wikipedia And So It Goes…
・And So It Goes Songfacts
・大人のロック!特別編集「ビリー・ジョエル 永遠のピアノ・マン」(日経BP社)
ジャケット写真もここからいただきました。

(この曲を購入!)Amazon.co.jp
Storm Front
ビリー・ジョエル
*ビリーは当初エドワード・ヴァン・ヘイレンにプロデュースを依頼したが断られた。代わりに起用されたのがフォリナーのミック・ジョーンズだ!

220px-BillyJoel_StormFront.jpg

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コメント

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初めまして!
素敵な歌と和訳に惹かれてiTunesで買っちゃいましたww
いい雰囲気の曲でこの切ない感じが和訳のあとの解説と合わせるととても堪らないです…

そこで質問なのですが and you're the only one who knowsのyouを自分って訳したのが気になるのですが
なぜあなたではなく自分なのか教えてください!(関西の自分って意味ではないですよねw)
絶対に意味はあると思うんですがこちらまだ高1なものでよくわからず…
教えて頂けると幸いです!

興味を持っていただきありがとうございます

ころさん、コメントありがとうございます!高1さんなんですね!ころさん世代の方が、70年代や80年代の名曲と出会ってくれるとうれしいです。
さて、和訳なのですが・・・正しくは「知っているのはきみ きみが唯一人の人」となりますよね。僕の「自分にしかわからないことだから」は完全なる思い込み訳としか言いようがないです。
 主人公は「You」と関係を築こうとしてきましたが、それはやはり難しく、物事や人の心も移り変わるものだから・・・と自分を納得させます。そんななかでも"you're the only one who knows"、きみにはこのこと、わかっていてくれるよね?と思いつつ、彼女の心も冷めていくのを感じ、つぶやいたセリフのように思ったのです。この場合の「You」は、きみではなく、客観的な立場から見た自分自身なのかな…と。
 ころさんに、興味を持って質問をいただき恐縮です(汗)。アーチストの意向を踏まえても、まずは原詞に忠実に訳すのが大切ですし、ころさんは高1さんですので、勝手訳のような悪い癖はつけないようにね!(最後はごまかしてしまった…)
 どうぞまたご来訪ください!

返信ありがとうございます!
B.Joel以外にも70,80年代のは好きですねw

なるほど!客観的な立場から自分自身…めちゃくちゃ深いじゃないですか…
めっ太さんの意訳好きになりそうですww
(あ、僕はとりあえず勝手訳しないので大丈夫です><)
突然のコメントにとても迅速な返信&対応ありがとうございました
これからもブログ見続けるので是非とも宜しくお願いします!

ころさん はい!意訳のしすぎ・勝手訳は受験英語には禁物ですよ(笑)。ぜひ、これからも、いろんな音楽、いろんなアーチストの曲を聴いて、ころさんの"お気に入り"、大好きなものに出会ってください!これからもよろしくお願いいたします。