Hard Luck Woman / ハード・ラック・ウーマン (KISS / キッス)1976



If never I met you
I'd never have seen you cry
If not for our first "Hello"
We'd never have to say goodbye

もしきみと出会わなかったら
きみを泣かすこともなかっただろう
もし"ハロー"って最初に出会わなければ
僕たち"さよなら"って
言わなくてもよかったんだ

If never I held you
My feelin's would never show
It's time I start walkin'
But there's so much you'll never know

でももしきみを抱きしめなかったら
僕が感情を表すことはなかったよ
一人で歩き始めるときがきたんだ
きみが知るはずもないことが沢山あるけれど

I keep telling you hard luck woman
You ain't a hard luck woman

僕はきみに"ついてない女"って言い続ける
きみは"ついてない女"なんかじゃないのにね

Rags,
the sailor's only daughter
A child of the water
Too proud to be a queen

気にしなくていいんだ
船乗りの一人娘は
海で生まれ育つんだ
海とは切っても切れないから
女王様にはなろうとしないんだ

Rags,
I really love ya
I can't forget about ya
You'll be a hard luck woman
Baby, till you find your man

ばかばかしい話さ
きみを本当に愛してて
忘れることができないなんて
きみは"ついてない女"さ
ベイビー
最愛の男性を見つけるまではね

Before I go let me kiss you
And wipe the tears from your eyes
I don't wanna hurt you, girl
You know I could never lie

キスしようとする前に
きみの瞳にこぼれる涙を拭いてあげたね
きみを傷つけたくないんだ
だって僕はきみに嘘はつけないからさ

I keep telling you hard luck woman

だからきみに言い続けるよ
きみは"ついてない女"だって

You ain't a hard luck woman
You'll be a hard luck woman
Baby, till you find your man

きみは"ついてない女"なんかじゃないのに
でも"ついてない女"でもあるんだ
本当の恋を見つける それまでは

Rags,
the sailor's only daughter
A child of the water
Too proud to be a queen

くだらない話だよ
所詮 船乗りの娘は
生まれてからずっとそばに海があって
海から離れることなんかできない
だから
我がままに振る舞うことなんかできないんだ

Rags,
I really love ya
I can't forget about ya
You'll be a hard luck woman
Baby, till you find your man

ばかばかしいよね
でもきみのこと愛してて
忘れることができないなんてさ
きみは"ついてない女"なんだ
だって
本当の恋に巡りあえてないんだから

You'll be a hard luck woman
Baby, till you find your man

きみはこれからも
"ついてない女"なんだ
本当の相手に巡り合うまでは

Oh yeah, bye bye,
so long, don't cry

ああ 
"さよなら"を言うときがきたね
さよなら 泣かないで

I'm just packin' my bags,
whoa, leavin' you
Bye bye, bye bye, bye bye,
baby, don't cry

バッグを手にして
きみを置いて出ていくよ
バイバイ さよなら
ベイビー 泣かないで

I gotta keep on movin',
yeah movin'
Bye, bye my baby,
ooh, don't cry, lady, oh

振り返らずに進むんだ
ああ 前に進むんだ
さよなら 僕の愛したひと
ああ 泣かないでよ ねえ

Songwriters STANLEY, PAUL
Lyrics © Universal Music Publishing Group, Warner/Chappell Music, Inc.

rags=布くず,ぼろきれ,断片,つまらないもの

Released in 1976
US Billboard Hot100#15
From The Album"Rock And Roll Over"
(地獄のロック・ファイアー)

Rock and roll over

 "Hard Luck Woman"はKISSのドラマーのピーターが歌ってるのは多くの人が知ってると思うのですが、作者は"Star Child"ポール・スタンレーだって知ってましたか?(★^)/

◆9月に日本で発売された「ポール・スタンレー自伝」。僕もさっそく図書館で借りました(←買えよ)。これ赤裸々で面白いです。はっきり言ってKISSの物語を理解しようと思わない人は「読まない方がいい」かもしれません。もちろんポールの自伝なのですべてがポール目線で書かれてますが、40年以上もワンパターンでKISSを続けてきた人です。KISSの歴史=ポールと言ってもいいと思いますので、これがTrue Storyなんだろうな。

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◆昨年の来日の際に僕のブログでも"KISSまつり"と題し、演奏してくれそうな曲をあきれるほど訳しました(^▽^;)。でも"Hard Luck Woman"は訳しませんでした。"Monster Tour"では演らないのはほぼ明らかでしたし(Meet & Greetでは演りましたね)、実は歌詞を訳せる手がかりがなかったので…。
 歌詞のなかで引っ掛かっていた箇所は、

Rags,
the sailor's only daughter
A child of the water
Too proud to be a queen

の部分で(1)なぜ"Sailor's daughter"が出てきて、"Too proud to be a queen"なのか?、(2)"Rags"をどう訳すか、です。

◆「ポール・スタンレー自伝」(P.230 ~231)に、和訳のヒントがありました。

"ハード・ラック・ウーマンは変則的な存在だったよ。KISS用にとは全然考えてなかった曲だったから。俺は曲作りをエクセサイズとは考えていないし、自己検閲は得意な方なので、KISSのアルバムにその曲に相応しい場所はない、と思ってたんだ。(中略)俺はロッド・スチュワートの「マギー・メイ」や「ユー・ウェア・イット・ウェル」とかずっと聴いてきたので、ああいう曲を念頭に置きながら自分の手で作ってみようとしたんだ。でも歌詞のヒントは全く違う方向からやってきた…ルッキン・グラスの「ブランディ」という曲で、バーで働いている船乗りの娘に関する曲だ。曲が仕上がってからも、KISSがこの曲を演っているところは想像できなかった。俺はこの曲をロッドに送って、彼がレコーディングしたがるかどうか調べてみよう、と計画した。だが、その秋「べス」が大ヒットしたことで、エディ・クレーマーとジーンはこの曲がKISSの次の曲として理に適ってると考えたんだ。ピーターはロッドのようなハスキー・ヴォイスだったから、彼が歌うべきと俺たちは思った…。"

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 まず、間奏ギターが"マギー・メイ"に似てるなあと思ったのは、ポールが"マギー・メイ"のような曲を作ってハスキーなボーカリストに歌わせよう、ロッドにも聞かせて歌わせてみよう!と思ったから、だったんですね。

◆Looking Grassの"ブランディ"は、1972年のNo1ヒット(僕の世界で1番好きな曲"Alone Again"とHot100のNo1の座を奪い合った曲でもある)で、バリー・マニロウの"哀しみのマンディ"との関係のある曲で有名ですね。(バリーは最初"Brandy"という曲を作ったのですが、Looking Glassのこの曲と区別するために"Brandy"を"Manday"に変えた)

 "Brandy(You're Fine Girl)"の歌詞にあたりました。(今度、本格的に訳します)

"主人公"は小さな港のバーで働いてる"Brandy"。みんな彼女を"いい娘。いい妻になるよ"と言って彼女は船乗りたちの人気の的です。"ブランディ"は首からロケットを下げていて、そこにはある男の名前が書いてあります。時はさかのぼり(何年前かはわかりません)。"Brandy"はある船乗りに恋していました。その船乗りは自分の名前の書かれたロケットを彼女にプレゼントをします。その男はこんな口癖がありました。 "俺の人生、俺の恋人、俺の女性は海なんだ"。ある日彼女を置いて出ていってしまったのです。"Brandy"がずっとその港のバーで働いていたのは、彼を待ち続けているから?なのでした。

◆僕の仮説です。
 この歌のなかで去っていく男。これが"Hard Luck Woman"の主人公。
"Hard Luck Woman"の歌詞に出てくる女性。この人が"Brandy"の"Brandy"
 ポール・スタンレーはそのような設定で、"Hard Luck Woman"の歌詞を書いたのではないか?

 彼女(Brandy)はみんなから"You're fine girl"と言われます。でもそういう女性ってみんなアイドルにたてまつってしまったりするので、なかなか本当の恋に巡り合えない。だから"ついてない女"でもある。
 そんななかで俺は船乗りに生まれついて、この港をまた出発しなくてはいけない運命。彼女(Brandy)を愛してるのに忘れなきゃいけない。船乗りで生まれた男は海から離れられず、"王様"になれるとしてもなる気なんてさらさらない。同じように船乗りの娘に生まれた女も海から離れられず、海で生きることにプライドを持っているので"女王"になんてなる気もない。
 だから、愛しているけどサヨナラを言うよ…。

 "Brandy"に"He was an honest man"という船乗りの性格を述べる箇所があります。正直だから"I could never lie"(Hard Luck Womanの歌詞)なのです。また"Hard Luck Woman"の歌詞で"ハロー"って最初に出会った場所は"Brandy"の勤めるバーだったのかもしれません。

HLW.jpg

◆さあ、ここまで来ると…(1)(2)の意味がなんとなくつかめてきました。

(1)"Brandy"の物語に例えたので"Sailor"が出てきました。海の男の生き方とその娘(女)の生き方は、"恋"と"海"を天秤に架けたら"海"を取るものなのです。"Hard Luck Woman"の話が"海"の話ではなかったとしても、"海"の代わりとして"仕事"とか、"恋"より大切な何らかの価値観を持つ男性が主人公ということなのでしょう。
(2)"恋と海とを比較して、海を選んでしまう"宿命、性分…なんとなく自嘲気味になってしまいます。泣き笑いするしかない。仕方ないんだから。そんなこと悩んだってクズみたいなもんさ。"Rags"…"つまらないもの"と笑い飛ばすしかない。

…以上、「めった意訳」でした。でもちょっとスッキリしてます!

◆「ポール・スタンレー自伝」は僕の住んでる東京23区の区民図書館に1冊ありました。東京都だと日比谷の東京都立中央図書館に1冊蔵書されているようです。興味ある方はぜひ借りて読んでみてはいかがでしょうか。 ←買えよ by ポール(★_-;)

◆Unpluggedの"Hard Luck Woman"(1995)僕の想い出があるバージョンはもちろん当時のピーターのボーカルのものだけど、作者であるポールが歌うバージョンは感情こもっててなかなかいいな。
↓↓↓↓↓


◆2013年のヘルシンキ公演でのMeet & Greetでの"Hard Luck Woman".カントリー楽団みたいで雰囲気もいいな。
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◆1972年のNo1ヒット。Looking Glass"Brandy(you're a fine girl)"
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(この記事で参考にしたページ)
・Wikipedia Hard Luck Woman
・Wikipedia Rock and Roll Over
・ポール・スタンレー自伝
ジャケット写真もここからいただきました。

(この本を購入!)Amazon.co.jp
ポール・スタンレー自伝 モンスター~仮面の告白
ポール・スタンレー (著)
ティム・モア (著)
増田 勇一 (監修)
迫田はつみ (翻訳)

Paulstanley.png
(★^)/ ニッポンノミナサン、カッテクダサァイ~♪

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コメント

非公開コメント

同じところに・・・

めったさん、こんにちは。

まず・・・
私も上からずら~~っと読んでいって、このRagsのあたりが気になるな、と・・。
すると面白いことに! いつもめったさんの記事を読んでいて、ひっかかった、というか、難しい部分だなと感じるところって、下にスクロールしていくと、取り上げられていることが多いので。(笑)
あー今回も着眼点が同じだった?みたいな・・。(笑)
でも、結局のところ、私には明快な解答はつかめていないのですが。
ただ、歌詞をさら~~っと今読んで、思ったことが一つあります。
外国語の海の定義について。
これはいくら学んでも日本人には分からない感覚なのですが、言葉に性あること。

私の好きなドイツ語だと海は2つあり、ひとつは女性。こちらの方が英語のseaに近いので、代表的には女性と言っていいのかな、と。
あとひとつの単語は中性名詞にもあるのですが。
(因みにドイツ語で「山」は男性。)
フランス語もそうですよね、海は女性。

ところが、スペイン語だと確か海は男性。

これってどういう感覚なのかなぁ~?とかねがね疑問。
でもこれって「感覚的」に使い分けているそうなので、理屈じゃないのですが。

で、いつもの(?)勘だけに頼って生きている私の感覚からするとa child of the waterだから、海から生まれた女性・・?って思ったのでした。
言葉の感覚(←根拠ない感覚)から行くと海って女性っぽい、って思っています。

でも・・Paulちんが語っている下りがこの本に載っているのですね!!
そこからヒントを得たと。


自伝、はい、買いますよっ!
今は「タイミング」を見ております。 ( *´艸`)

ではまた!

もう1年前になりますね

はるちゃん、コメントありがとうございます。
KISS 来日からもう1年も経ちますね。ポールの自伝を読んでたら「Hard Luck Woman」はポールの曲なんだって想いが強くなってヒントを見つけたらあとは勢い!で訳してしまいました(^▽^;)。でも「性」のある名詞かあ。考えが及びませんでした。「Brandy」の物語と「Hard Luck Woman」の物語を無理やり結び付けすぎてしまったかも。しばらくしたらまた客観的に考えてみたいと思います!

No title

キッスといえば、ストレートなヘヴィメタロックが主流ですが、対照的に叙情性漂うメロディアスな曲や、アコースティックでリズム感溢れる名曲が多いのも大きな特徴ですね。RWはこちらの路線が大好きで小生がキッスを取り上げたのは「ベス」(第10巻(074))でした。ハードラックウーマンとの双壁の名曲どちらを取り上げようか結構悩みました。

ハードロック・ウーマン!

RWさん、僕もKISSの和訳は"べス"から始まりました。http://mettapops.blog.fc2.com/blog-entry-175.html
知ってる人は知ってるけど「地獄ロック」しか知らない人にはこういうのもあるよって知ってほしいって思ってしまって…(^▽^;)
あと「ハード・ラック・ウーマン」は発売されてしばらくするまで「ハード・ロック・ウーマン」だと思ってました(恥)。

乗っかってすみません。(笑)

こんにちは!
あのぉ~~~、私も子供こ頃だったので、たしかハードロック・ウーマンだと思っていた時期が・・。 (恥 X 2)
(^^;
では。

やっぱり!

はるちゃん!仮面の告白!? ナイスカミングアウト!僕だけじゃなかったんだ(^^ゞ

Hard Luck Woman

「Hard Luck Woman」はポールの曲だったのですね。ポールのボーカルヴァージョンもなかなか良かったです。
「ベス」と「ハードラックウーマン」の2曲の名バラード曲は、ストレートでカッコいいキッスのハードロックの中で、一層光ってます。(といいながら私「デトロイト・ロック・シティ」が大好きなのです。高速を走る時のBGMはもちろん「デトロイト・ロック・シティ」なのです)

危ないんじゃないですか~

星船さん!高速で"Detroit Rock City"は危ないんじゃないですか~!(笑)歌のなかでも事故起きてますよ~! せめてDeep Purpleの"Highway Star"で。(AC/DCの"Highway To Hell"はダメ)

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